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4号室 矢野佑貴さんに訊いてみました

前回のブログからだいぶ間が空いてしまいましたが、今年も楮の芽かき作業が終わり
鈴虫の音に秋の気配を感じる頃と真りました。
本日は、待ちに待った4号室アトリエを訪問しました。
現在、博士課程に在籍の矢野さんはアートネアートスタジオのメンバーの中では、
一番アトリエにこもっている時間が長いように見えます。
しかし、そのアトリエの中は外からは誰も除くことができないほどびっちりと
目隠し対策がなされています。
今回はその秘密のベールが開かれるということで、ドキドキしています。
それでは、いつもの素朴な質問から始めてみたいと思います!


 
4号室 矢野佑貴さんに訊いてみました_d0182446_00142935.jpeg
4号室内風景




1, 絵や工作を好んではじめたのは何歳頃からですか?

  15歳


2, 影響を受けたアーティスト、人物は誰ですか?
  何人でもお答え下さい。現在、気になっている作家は?

  David Lynch

3, どのような経緯でアートネアートスタジオに入居されましたか?

  学部二年の頃アトリエを探していた際、芸大で担当助手だった
  アートネ代表の正木さんが紹介してくれました。

4, 現在、どのような作品を作って、または描いていますか?
それをどのような場所で発表されていますか?

  ポストモダンの思想に影響を受けて制作。
  東京藝大博士在学中なので、藝大内、個展、グループ展にて作品発表している。

5, 自分史上、これまでの最高傑作、
 気に入っている作品はどのような作品ですか?

  芸大学部卒業制作の「うぶすな」 2016

 これは、作者の都合により未掲載になります。とうぞ、会場で観れた方々は幸運ですね。
代わりに今年製作されたご自陣の自画像と思われる作品画像を掲載させて頂きます。
4号室 矢野佑貴さんに訊いてみました_d0182446_17223753.jpeg
                  「アートマン」 2022


6, 作品を制作するときに使用する材料についてお聞かせください。

  アクリル絵の具
  「自分の使用してる画材や道具についてはある程度秘密にしておきたいので
   割愛でよろしくお願いいたします。」

 というコメントをいただきました。ミステリアスです。

7, 毎日の生活で好んでやっているルーティンは何ですか?
  制作に入る前に行うルーティンはありますか?

   特にない

8, これからどのような作品を作っていきたいですか?

   時代をあらわすような作品をつくりたい

9, あなたにとって、アート、芸術とは?もしくはそれらと
 共にある生活について聞かせて下さい。

   ものごとをより詳しく観察するための媒体

 

矢野祐貴
( 略歴 )  
現在、東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻油画研究領域油画技法・材料博士後期課程在学中
2022 Growing up in a greenhouse(個展)
    絵画の筑波賞 優秀賞
2017 VOCA展2017
2016 台東区長賞
   O氏記念賞
4号室 矢野佑貴さんに訊いてみました_d0182446_00163547.jpeg

蛇を描くために取材で訪れた群馬にあるジャパンスネークセンター
 にて


本日はありがとうございました。


写真提供/ 矢野佑貴
文章/ 椎葉聡子




# by blog-aas | 2022-09-14 00:29 | Member

第二回目の間伐材の裁断作業をしました

今日は、雨が降る前に朝9時半から一時間、初夏の頃に切った敷地内の竹や樹木の裁断作業を行いました。90cm程に切り揃えないと町役場の方に回収してもらえないからです。
作業の後、一時間ほど月例会を行い年末大掃除のテーマや楮の刈り取り、蒸す作業の日程などについて話合いました。
夕方から雨が降りはじめたのでちょうど良かったです。
暖かい雨なので蛙も沢山出てきて喜んでいるようです。
第二回目の間伐材の裁断作業をしました_d0182446_23092520.jpeg

第二回目の間伐材の裁断作業をしました_d0182446_23101197.jpeg

# by blog-aas | 2021-11-21 22:56

4号室 ポレポレの皆さんです

 今回はスタジオの4号室で制作活動されているグループポレポレのご紹介をします。


ポレポレの皆さんは、20106月より利根町で活動している油絵グループ光龍会の

有志11名で活動を始め、現在は6名で活動されています。


4号室の窓は、毎年夏になるとゴーヤのカーテンで覆われます。


笑い声が絶えない皆さんの仲良しの秘訣は?

 グループ名「ポレポレ」がスワヒリ語で「ゆっくり」を意味する言葉通り、

メンバーの全員が、ゆったりと一緒に過ごす喜びを噛みしめながら活動

しているからだそうです。     

家以外の場所で気の合う仲間に出会えて嬉しいというポレポレの皆さんは、

絵を描く以外にも、一緒に展覧会を観に行ったり、菜園で花や野菜を

育てたり、アトリエの楮を使って和紙の絵葉書を作ったりしています。



それでは、ポレポレの皆さんのお気に入りの作品や好きな作家などについて

お一人ずつ伺ってみました。


まずは、グループのまとめ役の森谷さんの作品とコメントです。

          森谷栄之進「壁」油彩、F100号、2016

     小学生の時に褒められたことを思い出し、50歳から本格的に

     絵を描き始めた。もうすぐ30年になる。

     現在は目に見える姿をただ写しとるのではなく、自然の本質に迫り

     その姿と美しさに肉薄できればと思いながら制作している。

     

いつも笑顔で物静かな森谷さんの好きな色とアーティストは?

     セルリアンブルー、佐伯祐三、野見山暁治

渋いですね


お二人目、坂本さんの作品です。

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坂本保子「彼岸花」油彩、P10号、1990

     

     空気感、臨場感にこだわったこの絵は、

     父が亡くなってまもない頃に彼岸を想い描きました。

構図が単純ながらも力強い説得力に満ちているのは、まだ油絵を始めた頃だったのが理由のようですね。好きな作家や色はなんですか?

     三岸節子やエゴンシーレ、オリーブグリーン


やはり、坂本さんは「彼岸花」の絵のように情熱的な渋好みですね。


     

三人目、佐野さんの作品です。

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佐野栄美子「日没」油彩、F60号、2016年


知的な具象画を描かれる佐野さんにお話を伺ってみました。

     絵を描くことは生きがい。

     好きな色はブルーグレー、グリーン系、

     コローの絵に使われている色。田中一村などの

     具象画が好き。小学校3年生と高校の美術部の時に

     絵の魅力にハマるきっかけがあった。モチーフ対象を

     忠実に描く中に少しでも自分の個性が表現できれば

     と思いながら制作している。



四人目、渋谷さんです。

4号室 ポレポレの皆さんです_d0182446_01542830.jpg
渋谷知恵「思い出の場所」油彩, F100, 2019


     パステルカラーやグレーが好きで最近は古いものや壊れかかった

     ものなどに魅かれて描かれています。

やさしい雰囲気そのままのお人柄が絵に表れている渋谷さんは、いつも

花をテーマに描いています。40代の頃に年をとっても続けていられる

何か、と考えた際に憧れだった油絵を描いてみたいと描き始めたそうです。

好きなアーティストは?

     和田英作、アンドリュー・ワイエス


やはり、美しく優しい絵を描く画家がお好きなようです。



五人目の丹羽さんです。

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丹羽千賀子「困惑する」1/3 油彩, アクリル, F50


    絵を始めた動機は、中学校の美術の時間がとにかく楽しかったから。

    藝大取手の夏季公開講座「現代美術の楽しみ方」がきっかけで

    絵画教室に入った。光龍会に入って約30年になる


才女なはずなのにどこか天然でユニークな丹羽さんですが・・・?

    この場所は、刺激的でストレスが発散できる場所。

    支持体の上では何をしても他人に迷惑をかけず思うがまま我儘に

    振る舞えるのが、自分にとっての絵を描く意味、理由だ。

そんな過激なお答えが返ってきました。

      好きな色はブルー、グレー、

      好きな画家はロスコ、李禹煥、エゴン・シーレ



最後にブルーのグラデーションが美しい六人目は、福島千恵子さんです。

4号室 ポレポレの皆さんです_d0182446_01571452.jpg

       福島千恵子「碧」アクリル, M100, 2015


    幼児期から折り紙やクレヨンなど色彩豊かなものが好きだった。

    高校生の時に美術の先生から入部を勧められ絵を描くことが

    好きになった。絵を描いているときは、素の自分と向き合える、

    固定観念に囚われず色彩を重視しながら自由に描いてゆきたい。

のびのびとした絵を描く福島さんの好きな色、作家は?

    ブルー、ルドンの「グラン・ブーケ」、横山操


とても素敵な青色の作品ですね。

以上、白一点の森谷さんを囲んで、

集まると明るい笑いの絶えない4号室、ポレポレの皆さんに

興味深いお話をたくさん伺いました。

武者小路実篤の「仲良きことは美しき哉」という言葉を思い出しました。

  本日はありがとうございました。

4号室 ポレポレの皆さんです_d0182446_02050002.jpg
最後に皆さんご一緒に、笑顔でハイッ!♡


撮影/文 椎葉


# by blog-aas | 2021-03-30 02:08

楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目

3月23日(火)、昨日午後1時半から今年第3回目の楮の皮引き作業がありました。

楮畑横の桜の木に咲いた花は日曜日に吹いた強風で殆ど散ってしまいました。
咲き始めも早かったし、色も少し濃い目のピンクなので、きっとソメイヨシノではない桜だと思われます。
画像は、まだ満開だった3月12日のものです。
楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目_d0182446_15455555.jpg

 今年、刈り取った楮の枝は昨年の夏前に何度も吹き荒れた強風のせいで枝が
折れた為、例年に比べて3分の2弱程の収穫量です。
昨日までに今年収穫した皮の半分の量が剥き終わ離ました。
一枚の皮は、例年より肉厚で幅が広く、どのような紙になるのか楽しみです。

楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目_d0182446_18385191.jpg
皮むきの作業は手作りの藁(わら)の座布団に座って黒い外側の皮から刃物で引いていきます。
(写真は第一回目に撮影したものです。

楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目_d0182446_18413847.jpg
次に、これもまた木村さん手作りの皮挟み機にしっかりと固定して黒皮の下の層の少し厚めの皮をヘラ状の刃物で引いて、より白い皮にしていきます。

楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目_d0182446_18442367.jpg
仕上げは、二段階の作業を経ても残ってしまった細い枝の名残の硬い箇所や黒ズミの部分などをハサミで取り除いて風通しの良いスタジオ内の廊下で乾燥させます。
楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目_d0182446_16022975.jpg



ここ3年ほどは、刈り取ってから皮を蒸す作業を日にちを空けずに行うと、皮引きがやりやすくきれいな白皮になることが分かり、今年も刈り取り作業を行った後10日目に蒸す作業を行いました。気候がなるべく寒いうちに全ての工程を終了させればカビの発生も防げるので、責任者の中村さんは毎年日程調整をするのにも一苦労です。

楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目_d0182446_18534443.jpg
2月11日 皮を蒸している最中の織田さん


楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目_d0182446_18541546.jpg
強風の後に折れた枝を間引きしたので、本数は少ないものの例年より長く成長した?枝
1月31日に刈り取り作業を行いました。

楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目_d0182446_18560810.jpg
楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目_d0182446_18545550.jpg
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楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目_d0182446_18563465.jpg

そして、今回は竈門の内側もだいぶ崩れたり、ヒビが大きくなってきていたので修理しました。
前回は、土台は中村さん持参の瓦を土台にアトリエにあった粘土や石灰と砂だけで仕上げましたが、今回は仕上げにセメントにボンドを混ぜて作ったので少し耐久性が出るのでは、と期待しています。

楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目_d0182446_19014120.jpg
楮の皮引き作業、白くなるまで引く 2021年 第3回目_d0182446_19022459.jpg


撮影/文  椎葉 






# by blog-aas | 2021-03-24 19:12

 今回はスタジオメンバーの織田茂雄さんのご紹介をします。

 今回はスタジオメンバー最年長、織田茂雄さんのご紹介をします。

 前回の中野さんと同じ2号室の半分をシェアされています。
天気の良い日はいつも北風の吹くさむい冬の日でも歩いて野外スケッチに出かける織田さんですが・・・
 今回はスタジオメンバーの織田茂雄さんのご紹介をします。_d0182446_01203749.jpg
なんと、屋内外での創作活動だけに留まらず利根町にある大平野生植物園でもヤマユリを育てるなど、
一年を通して、とても活動的な日々を過ごされています!
 今回はスタジオメンバーの織田茂雄さんのご紹介をします。_d0182446_01212740.jpg

それでは作品を拝見しながら、いくつかの質問に答えて頂き織田さんの創作の源泉を
探っていきましょう。
 今回はスタジオメンバーの織田茂雄さんのご紹介をします。_d0182446_13513100.jpg
        「 祭り - 2019-4 」ジェッソ下地にアクリル着彩 2019年


1. 絵や工作を好んで始めたのは何歳頃からですか?
  絵の好きな友人の影響で10歳のときから

2. 影響を受けたアーティスト、偉人、有名人は誰ですか?
  奥村土牛、安野光雅、栗原一郎、桜田精一

3. どのような経緯でアートネアートスタジオに入居されましたか?
  アートネアートスタジオ代表の正木先生からお誘い頂き、3号室のグループ
 ポレポレのメンバーと一緒に入ったのがきっかけです。

4. 現在、どのような作品を作ったり描いたりしていますか?それはどのような場所で発表されていますか?
  コロナの流行で自粛しなければいけない生活が始まり、ウォーキングしながら
 小さなスケッチブック (F3号、SM号 )を片手に水彩絵の具で写生をすることが
 多く なりました。
  祭シリーズでは、動きや音、色の響きの探究をしています。 
 裸婦デッサンの勉強もしており、発表はデッサン展や利根町の町民絵画展、
 油絵のグループ光龍会の展示、隔年で個展をひらくなどして発表しています。
  
 今回はスタジオメンバーの織田茂雄さんのご紹介をします。_d0182446_01264845.jpg

5. 自分史上、これまでの最高傑作、またはお気に入りの作品はどのような作品ですか?
  ナシ?・・・でも、人物クロッキーやムービングを描いたものは気に入っています。

6. 作品を制作するときに使用する材料についてお聞かせください
  アクリル絵具、透明水彩絵具、デッサン用の材料などです。
 今回はスタジオメンバーの織田茂雄さんのご紹介をします。_d0182446_01271759.jpg

7. 毎日の生活で好んで行っているルーティンはなんですか?制作に入る前に行う
 ルーティンはありますか?
  ウォーキングをしたり、音楽を聴くこと、作品の下地塗りをしながら
  自由な気持ちをつくっています。

8. これからどのような作品を作っていきたいですか?
  半抽象的なもの、下地はしっかり作ってその上にはそのときに
  描きたいと思ったものを即興的な筆致で描いていきたいです。 

9. あなたにとって、アート、芸術とは?もしくはそれらと共にある生活についてお聞かせください
   キリが無い、面白い、キツイ、見る楽しみ、描く楽しみ、対象をよく見る、
  絵画をよく見る、好奇心を持って日々生活をしています。

  
 今回はスタジオメンバーの織田茂雄さんのご紹介をします。_d0182446_01280023.jpg
     織田茂雄 略歴
 二紀会の島岡實、小島真佐吉、両氏に師事

  個展
1978年 第1回個展 (銀座さえぐさ画廊)
1980年 第2回個展   (有楽町そごう)
1986年 第3回個展    (東京駅大丸)
2013年〜2018年 第5〜8回個展 (銀座 月光荘 画室 II
2021年 第9回個展予定  (銀座 月光荘 画室 II

 公募展
1972年 第18回全三井洋画展 三友新聞社賞(日本橋三越)
1979年 第1回日本風景美展 銅賞 (有楽町そごう)
1982年 第36回二紀展入選 (東京都美術館)
1983年 第4回日本風景美展 奨励賞 (有楽町そごう)


<編集後記>
 織田さんの作品を見ていると、よさこい踊りをみたときの生命の躍動感に歓喜する気持ちや、日常の中で身近にある植物や生き物たちへの暖かい眼差しを感じます。
祭りシリーズの作品の中には、様々な生命のシルエットが色とりどりに描かれていますが、よく見るとその中にはその当時に活躍したスポーツ選手のシルエットも見えます。
楽しみながら創作されているのがよくわかります。
 新型コロナの流行で、よさこいが中止だときいてとても残念だという織田さん、
はやく祭りが見れる平和な日常が戻ると良いですね。

(文/撮影)椎葉

# by blog-aas | 2021-02-21 02:52


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